決算整理手続や帳簿の締切りを正式に帳簿上で行う前に、決算手続の妥当性について概観する目的で精算表が作成されます。
精算表を作成することにより、残高試算表から決算整理を経て、損益計算書と貸借対照表に至る決算手続を一覧することが出来ます。
決算整理手続を反映するため、修正記入欄(整理記入欄)を設けた8桁精算表を作成する必要があり、3級検定試験でも、毎回のように出題されています。
精算表作成の問題の場合、決算整理事項を正確に仕訳することが重要であり、この決算整理事項に基づいて修正記入欄に仕訳記入することになります。
資産・負債・資本に属する科目は貸借対照表欄に、収益・費用に属する科目は損益計算書欄に、修正記入を加味し、新出の勘定科目を追記の上、移記します。
最後に、損益計算書欄及び貸借対照表欄の貸借合計額を算定し、その貸借差額を当期純利益(マイナスの場合は当期純損失)として記入します。
187頁の練習問題51の決算整理事項を考えて見ましょう。
1.現金は、実際手持有高に合わせるので、差額800円を雑損で処理します。
2.(受取手形45200円+売掛金32800円)×2%=1560円、貸倒引当金が400円あるので、1160円を差額補充します。
3.売買目的有価証券は1200円評価が下がっているため、評価損で処理します。
4.期首の繰越商品28800円と仕入104160円を売上原価勘定へ振替、期末商品棚卸高31600円を売上原価から繰越商品勘定へ振替えます。通常は、仕入勘定で計算するものを、この問題は売上原価勘定を設けて処理させる問題です。
5.消耗品費で処理してあったが、期末に800円分残ったので消耗品勘定へ振替えるものです。
6.(取得原価120000円−残存価額12000円)÷耐用年数9年=12000円を間接法による減価償却累計額に加算し処理します。
7.当期中に支払う分の利息が未払いの為、支払利息に加算し処理します。
8.当期に受取れる利息の為、有価証券利息に加算して処理します。
9.保険料180円前払いしてあるため、支払い保険料から減額し、前払保険料で処理します。
精算表は毎回のように出題されますが、決算整理事項の仕訳が理解できれば高得点が望めます。
他の問題も確実に出来るようにしておきましょう。